婚礼家具と「静かなる男」

P1040005.JPGP1040004.JPG最近の住宅事情は、なかなか家具を置くスペースが無いようですね。
どうしても、収納は作りつけ家具が主流です。でも、やはり、カップやちょっとした小物を飾るカップボードと、たんす(今で言うチェスト)とダイニングセットを、婚礼家具として選ぶ方もいらっしゃいます。10年ほど前にお姉さんがお嫁さんに行かれる時にお母さんが用意された婚礼家具を作らせていただいたのですが、今回は妹さんのためにご注文をいただいて、大変ありがたく思って製作をしています。
お姉さんは10年の間に何度かご主人の転勤を経験されましたが、その度に家具を一緒に持って行ってくださったそうで、そういう物語も家具を作っている私達としては大変嬉しく思います。

そういえば、最近、お友達のお宅で映画会があり、その時、「静かなる男」という古い映画を見る機会がありました。偶然ですが、家具がキーワードの一つになっていました。ストーリーは、主人公のアメリカから来た男性が、アイルランドで一人の女性を好きになり求婚。果たして二人は結ばれるのか・・・一波乱二波乱あり・・・というもの。
このアメリカ人はもともとはアイルランドのその村の出身なのですが、アメリカで成功して、故郷へ帰ってきたという設定です。
で、アメリカ人らしく当人同士が良ければ結婚するのになんら問題は無いという考えなのですが、アイルランドのその村では、昔からの風習で、女の人は実家から持参金をもらうことになっているんです。男性はお金もあり、そんなことはどうでもいいのですが、女性のほうは(モーリン・オハラ)実家から持参金と、お母さんから譲り受けた家具を持ってお嫁に行くのでなければ正式の結婚ではないと考えていて、男性と同居はするものの、交わろうとしません。しかたなく男性はソファーで眠るはめに・・・。彼女の実家ではもう両親が亡くなっていて、お兄さんが仕切っているのですが、いろいろあって、お兄さんもなかなかすんなりとは持参金と家具を渡しません。それで、二人はどうなるのか・・・。
アメリカとアイルランドの文化の違いや、男性と女性の違いが面白く、また、家具が新居に到着して、彼女が見せる喜びようが、男性的できつい顔のモーリン・オハラをかわいく見せていて、西洋の人たちの家具に寄せる思いみたいなものが伝わってきました。
アイルランドの風景もすばらしい映画です。

私達の作る家具も、結婚生活に喜びを添えるものになればいいな~と思います・・・。