私の住む松川村はのどかな里山です。その景色のすばらしさに、わざわざ車で来られる方も見える程です。
特に今の時期は格別で、稲の穂が今にも刈り取られるのを待つばかりに頭を垂れている風情は、本当に美しい。
そんな田んぼや畑の脇道をポンを連れて歩くのは至上の喜びで、生きていて良かったな〜と思います。
ポンも、土のにおいを嗅いだり側溝の水に浸かったりと、楽しそうです。
でも最近、その散歩道の一部が、荒れ放題になっています・・・。
最初は『あれ?おかしいな』と言う感じだったのですが、だんだんと、『これはひどいぞ』と思う様になりました。
田んぼや畑の畦道は、その所有者の方が刈って下さっているのが普通の事なのであまり意識した事が有りませんでした。
でも、そういえば最近Mさんが亡くなられたことを思い出しました。
Mさんはいつも朝早くから畑を見に来て、細かく世話をしておられました。その畑の整然とした様子は几帳面なMさんの性格を表していたと思います。ご主人さんと二人で仲良く作業をされているのをよく見かけました。私を見ると、手塩にかけて育てたお野菜やトウモロコシをいつも分けて下さいました。そのMさんが病気で寝込んでいるのを聞いてはいたのですが、亡くなられた事を少し前にお聞きしました。
今。Mさんの畑には何も植えられていません。廻りの道の草も延び放題になっています。
この道は彼女が居たからいつもきれいだったんだ。
そのことに気がつきました。
美しい里山も、ほっておいて自然にできる物ではありません。人が大切なんだと思いました。
ポンと歩いていて考えた事です。