西洋カンナとハンドツール

plane.jpg私達の工房のロゴマークがカンナのマークだと言うことを知っている方はまだまだ少ないと思います。それにこの形、日本のカンナとは全く違うので、なんですか?というご質問をいただくこともしばしばです。今日は写真入りでご説明しますね。ロゴの絵の部分、チョウチョの触覚の様に見えるのは写真のカンナから、カンナくずがでているところを表しています。くるっと薄くけずられた木の屑がでてくるところです。これが結構難しい技術なので、工房のシンボルにしています。
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Shunichiさんも実はもともとは日本の鉋をつかっていました。でも、西洋の家具の本や、家具製作のビデオ等で目にする西洋カンナのフォルムの美しさに惹かれて,一度使ってみたいと思っているうちに今はもう何本か持っていて使っています。
ご存知の方も多いと思いますが、西洋カンナは日本のカンナの逆で押して使います。さらに日本のカンナと違う所は、材質が鋳物でできていてかなり重く、その重さを利用して削るという感覚だそうです。(Shunichiさんの弁)
ただ、西洋と言ってもドイツでは木のカンナもあって、写真の物の様に、2色使いだったりとおしゃれなかんじです。
そして、日本の鉋の写真と比較してみてお分かりだと思いますが、決定的に違うのは刃をねじで止めていることです。
日本の場合は木槌を使って微調整しますが西洋ではねじを使います。この辺りの合理的な感覚は、彼に合っているみたいです。jplane.jpg

また以前は刃は日本のカンナの方が長く切れ味が続くと言われていて本当に今もそれはそのとおりだそうですが、最近の西洋カンナは結構長く切れるということで、俊一さんは最近はもうほとんど、西洋カンナばかり使っています。

また、ハンドツールと呼ばれるさまざまな小道具?が西洋にはたくさんあって、それを使うこともとても楽しいようです。少しご紹介しますね。

金色の羽の様な素敵なtoolはビーディングツール(beading tool)と言って、エッジを形作るためのものです。いろいろなエッジの形を作りたい場合、刃物を取り替えて使います。
自分で刃物をこしらえれば,オリジナルのエッジができます。

それから、銀色のカンナは、ラベットプレーンと言って、1インチの溝を作った時にその溝をきれいにしたい時に使います。
1インチ、2分の1インチ、8分の5インチ等のはばの物など種類が有ります。tool.jpg

このように西洋の家具を作る場合は、その家具を作るための道具がおのずと必要になり、そういう道具に触れることで、西洋の道具に対する考え方を理解し、興味深い発見にいたるそうです。(今日の聞き込みによると)
それは、西欧では、家具の寸法にも数学的な決まりが有り、システムの様だそうです。(例えば黄金律等が関係していると彼は説明していますが、私にはよく解りませんでした。渦巻き貝のこととか・・・つまり自然界に見られる寸法らしいです。)
それで、そのための道具を使い、その寸法を理解して作っていくと西洋家具の形になるとのことです。そういった伝統をふまえてそれをくずしたり、アレンジしたりすることが大切というのが彼の考え方のようです。
そういえば、私の知る限り、彼の家具作りの道のりはまず、大好きな古典家具を忠実にコピーすることからはじまったんですよね。さらにさかのぼると、中学の時も好きなギタリストの曲をカセットで何度も何度も聞き、耳で拾ってコピーしたって言ってましたから、コピーマンですね。(笑)

あ!!今、Shunichiさんから、チェックが入りました。コピーではなく、模写と書いてくれということです。模写?!そうか、そうなんですね。コピーは少し軽い感じだったようです。(すみません)
それから、これも、彼の口から今出たての言葉ですが、もしも今後、わび寂びの心境が理解できて,日本の様式の家具を作る機会があったら、日本の鉋を使うかもしれないな~ということです。(なるほど、そういうことなのかな~。)

ちなみにノミは日本製を使っているので、そういえば、今の作品はやはりどこかオリエンタルかもしれないと、私は思って見ているのですが・・・。

そしてこれからどんな未来が待っているのか?彼が作るどんな家具に出会えるのか、今からとっても楽しみです。
皆さんにも個性あふれる愛らしい商品をご提供できるようスタッフ一同がんばっていきますね。