古くても価値が有る物

お店に椅子の張り替えをご希望のお客様がいらっしゃいました。お家にお伺いすると、昔ながらの日本家屋に洋式の家具等を入れていらっしゃいました。椅子の張り替えの時はお客様の方で、『この椅子はもう20年以上になりますが、張り替えて使った方が良いですか?』というご質問をいただくことが良くあります。購入したときのことももう解らなかったり、木の価値というか、商品によってはきちんと作っていない物もあるので、無理も無い事です。
でも、この椅子に関しては、ぜひ張り替えをしましょう!とご提案させていただきました。
もしかしたら、椅子なんて、今はいくらでも安く手に入るかもしれません。でも、長く愛着を持って使っていただける様な椅子となると、逆に昔より見ることが少なくなって来ています。
それにつれて、椅子の張り替え自体も、できる職人さんが少なくなっています。
残念で悲しいです。

これが、かりんでできたもう何十年もたつ椅子です。

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上から下まで、1本の木が使われています。もともとの材が大きく必要だった事でしょう。
そして、生地ばりの鋲に注目です。
ひとつひとつ丁寧に打たれています。
勿論、中にはちゃんとバネが入っていて、長時間座っていても疲れなかったに違い有りません。

この椅子がどんな風に蘇るのか?
技術の有る職人さんにきちんと手をかけて直してもらえるなら、古くてもまた価値を取り戻せると思います。