里帰り・・九州で出会ったすごい人・・スピーカー編

里帰り4日目、グレートアンノウンというお洋服やバッグのお店で聴いた、手作りのスピーカの音に興味が湧いたらしく、俊一さんはさっそく制作者に会いに行くことにしました。

こういうところは、俊一さんは、物怖じしないというか、とにかく知りたいことが有るとなんとかして知ろうとするたちです。

同じ何かを作る仕事の方って意外とすぐにうちとけるのか、快くアポできてさっそく出かけました。
田渕さんは、TATというブランド名でスピーカーやアンプを製作販売しておられます。お店兼工房は行橋からは30分くらいの下曽根というところにありました。

さっそく試聴室で音楽を聴かせていただきました。

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ほとんどの行程をお一人で自作されていると聞いて驚くとともに、スピーカーについての考え方等教えていただくことができ、俊一さんは喜んでいました。

speaker.JPGTATブランドのホーンスピーカー。

家具製作を仕事としているので、完成度の高いスピーカーボックスに関心していました。
上は鋳物のオリジナルスピーカーですが、音の広がりを最大限生かす形にするためのデザインと、鋳物特有の溶接でのつなぎ目をなくすために上下で作って合わせるのでは無く、一体成形を選択したことで、大変難しく完成まで苦労があったそうです。
砂型製作には大変なお金がかかるのですが、鋳造製作に関わっているお知り合い等の協力も有り実現できたそうです。(やはり何事にもお友達力は必要なんですね。)

ドライバーは2インチのチタンの振動板が入っているJBLのものを使用されていました。
チタンの音らしく乾いた音で、僕好みとは俊一さんの弁です。

もうひとつ驚いた点は、ネットワークの周波数を400ヘルツあたりでクロスしてるらしくて、ピアノの440ヘルツの『ラ』の音がホーンからきれいに出ていた点が印象的だった。(これも俊一さんの弁です。)

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これは、スピーカーの外に付くネットワークです。
コイルもきちんとしていて美しい!

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これは何でしょうか?
私には正直良くわかりませんが・・・。俊一さんに聴いてみると
アナログプレーヤーのターンテーブルを駆動するサーボモーターだそうです。
私にはきれいなオルゴールにも見えました。

金属を削りだす工房が試聴室の奥に見えていて、その小さなスペースに金属加工の機械がそろっていました。大きな作業の時以外はそこで作っておられるとのことでした。

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音楽について、音のこと・・・二人の話はつきません。

一番おかしかったのは、俊一さんが、田淵さんを僕の『変人図鑑』に載せると、失礼なことを言ったのですが、まじめに、僕は変人ではないですよ~。と言っておられたことです。
そして、実は僕の友人が変なんですとおっしゃって、お友達製作のアナログプレーヤーを見せて下さいました。

これです!!
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ステンレスで、電源を入れるとわずかに宙に浮いて・・・・回転します!
確かにお友達もすごいですね。
でも、近くに何かに際立って凝っている人がいると自分のことを普通と感じるらしいのがおかしいです。

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細部のデザインがきれいでした。

いろいろなパターンで音楽を聴かせていただいたのですが、結果やはりアナログレコードが一番という結論になりました。
ただし、レコードをきちんと聴くためにはそれなりのシステムが必要ということで、普通はなかなか難しいかもしれません。

田淵さんもそうですが、以前は会社につとめていたのに、そのうち自分の好きなことを仕事にする様になったという方にお会いすることが最近多いです。
会社に勤めていても、会社内で自分の好きなことを立ち上げたりという人もいますし・・・。
決して専門の学校に行った訳でもなく、なぜだろう?

そうそう、俊一さんは、デコラティブな真空管アンプを作りたいらしく、アマゾンで『情熱の真空管アンプ』という高い本を購入。今、届くのを待っている所です。
ただでさえ忙しいのに、設計から勉強する気になっています。
中学の頃の自分が蘇って来た・・・などと言っています。

勿論、私の変人図鑑には、小野寺俊一の名がきざまれています。(笑)