デコラティブが来そうな予感!

SANY2363.JPGP1030779.JPG 今、計画しているオーダーキッチンは、ステンレスのトップに白いキャビネットです。勿論このお部屋だったら、無垢の木をあえて使うより、こちらの方がかっこ良いと思って提案させていただいています。中身は最新の金具を用いて使いやすくし、見た目にも、引き出しのラインをそろえるなど、すっきりとした感じになればと思います。
 しかし実際、得意としているデコラティブなキッチンを作ることは、案外むずかしい場合が多いと感じるこの頃ですもうやだ〜(悲しい顔)。そういうキッチンを入れるための部屋が必要と言うことなので、日本ではなかなか条件が合わないのが現状なのです。
 建物とキッチンは密接に結びついていますから、キッチンだけが浮いてもいけないし、例えば、フローリングの色や、壁紙の色や、そういうところがもう少し、いろいろ変化に富んできて、デコラティブなオーダーキッチンやオーダー家具が入れられるようになればな~と願っています。そう思っていたら、最近、TOYOキッチンの社長さんのブログを読む機会がありました。ヨーロッパでの動向として、これからデコが来る!という内容のことが書かれていました。本当に励まされました。 以下、引用させていただきます。

『 一ヶ月の間、イタリアとドイツを廻ってみて思うことは、製品の驚くべき多様性と、その多様性を受け入れることが出来るマーケットのダイナミックさです。これだけ多様な価値観を持つデザインが、これだけ大量に溢れる市場というのは、一体なんだろうと思うと同時に、振り返って日本のインテリア・マーケットの均一性は、新しいデザインが生むことが出来るのだろうかと少し心配になってしまいます。未だに無印的デザインがグッド・デザインとして評価されてしまう市場の後進性が日本の現実だとしたら、新しい創造的なデザインを志すものとしては、この市場の中で何が出来るのだろうと考えてしまいます。

 時代はDECOに向かって大きく舵を取り始めました。あのB&Bさえも、チッテリオをバックヤードに押し込んで、新しいデザインの息吹を感じさせる製品の展示を始めました(聞くところでは、この展示は急遽決まったそうです)。日本でも恐らく2,3年後にはDECOの動きがもっと顕著になってきます。

 ここで、難しいのは、そのDECOがどんな方向に向かうのだろうという事と、ミニマルと違ってDECOは多様性の世界ですから、ありとあらゆる可能性が出てきます。クラシックなDECOであったり、レトロなDECOであったり、光物であったり、ポスト・モダンもその大きな可能性だと思います。

 DECOの突き進むと、他が持ってない、自分だけのものを保有する欲求も出てきます。5年前に発行した「Bay Book」の中で、アートと工業製品の中間にマーケットが存在するのではないかという文章を読まれた方も見えると思いますが、まさにここでマーケットは芽生えつつあります。ロンアラッドの限定品や、今回のMoooiから展示されていた大型のシャンデリアは限定2台で完売したそうです。先日、{Casa Brutus」の吉家編集長のメールマガジンにも同じような事が書いてありました。

 このような時代の流れを受けて、TOYO KITCHEN STYLEの次の一手は何があるのだろう?いろいろ考えさせられた一ヶ月でした。』  以上、引用終わります。

 私も、モダンやミニマルがいやだと言うわけではないんですが、西洋の場合、圧倒的なクラッシックな建築や家具があっての、モダンなのですが、日本の場合、割合としてクラッシクは本当に少ないです。勿論、日本の伝統ではないわけだから当然なのですが。もっと多様性があっても良いのではと思います。オーダーキッチンやオーダー家具を作るとき、予算もあって、手の込んだことがなかなかできないのも仕方ないのですが、できるだけ彫刻だったり、象嵌だったリを使った、クラフトマンシップの香る商品をご提案できたらと思っています。