基調講演レポート第二段

P1030972.JPG先日のTOYOキッチンスタイルの社長さん(渡辺孝雄さん)の講演会では、たくさんの興味深いお話がありました。私達としては、その中でいくつか自分達にも関係が有るな~と思えるお話があり、記憶に留めるためにも、ここへアップしようと思います。
基調講演では、これからの流れとして、キッチンだけでなく家具にも関心を払う必要が出てくるというお話があったことは、昨日書きました。そこで、さらに、社長さんが力をこめて話された点が有ります。どうしたら、人気の出る家具を販売できるかといういわば、要点です。(私はそう感じたのですが・・)そのお話は、社長さんのアメリカ在住時代(10代の終わりから6年間)の音楽とのかかわりのお話から始まりました。帰国後20年間音楽に全く注意を払わなかったことや、今聞いている音楽のことなど・・・。また音楽を聴くようになったきっかけとしてある音楽プロデューサーの方との出会いが有った事など。そして、その方との会話の中で、ヒントを得たことが、重要な点として話されました。
その音楽プロデューサーの方が、多くの人気アーティストの方をプロデュースしているということで、どうやって人気がでるアーティストを探すのか?と思っていたところ、そのプロデューサーの方のお話だと、人気のでそうなアーティストを探すのでは無く、どんな音楽がこれから流行るのかをまず考えて、その音楽を作るために必要なアーティストを探すという方法を取っているということ。

このお話で、何が示されたのか?私なりに考えました。
直接お聞きしたわけではないのであくまで推論ですが、社長さんは、これからの流行を見越した、TOYOキッチンスタイルに合う家具をデザイン製作していかれるお気持ちなのだろうと思います。
先日オープンしたばかりのショールームmeubleでも、家具は有りましたが、輸入の商品でした。ヨーロッパのトレンドな商品で、デコラティブを印象付けるような家具が紹介されていました。しかし、やはりこれからは自社で家具をデザイン製作(製作は他の会社かと思いますが)されるお考えをお持ちなのではないかと思います。このあたりは私達の仕事とも関係が有り、もう少しお話をお聞きしたいところでしたが、帰りの電車があり難しかったので、お聞きすることができず、残念でした。後日明らかになるのでしょうね。

ところで、ここからは、私の個人的な思いです。
大きな会社も小さな個人工房も、今からどんな家具が売れていくのか、それは本当に知りたいことです。それを考えて商品を作っていくのは必然なことです。(そうで無いと会社として存続できません)
ただ、会社としてではなく、作り手として考えた場合は、自分の好きなスタイルというのが流行と関係なく有るわけで、その、自分が良いと思ったテイストを売れるか売れないかに関わらず、作っていきたいというのが、本音のところです。個人の幸せ論になってしまって、スケールが小さな話なのですが・・・。
例えば音楽の世界でも、プロデューサーは何人ものアーティストをその時その時に世に送り出します。でも、アーティスト自身は、独自の個性を簡単には変えることができません。(ジャニスジョップリンしかりです。)
いつか時代の流行と自分のスタイルが一致するのを、ハングリー(かなり古いですね)な思いで期待しつつ、自分の好きな音楽を・・・あるいは家具を、作り続けることしかできないと思います。

結局、これからデコが来るという予告の基調講演を聴きに東京へ行ったのも、以前からポストモダンを愛してきた俊一さんを、勇気付けたかったからかもしれません。
彼は、これから100年ミニマルが続くと言われても、日本にはデコは無理と言われても、デコラティブな家具を作り続けるのでしょう。今作りたい家具を作るという選択肢しかないのですから・・・。
ちなみに、今日は、どうしてデコのような凝った作りのものが好きなの?とインタビューしてみました。

彼曰く、自分がどのくらいできるかを試せるからだそうです。むずかしいことに挑戦して、できると自分が成長した気がして嬉しいそうです。ひらめき(勿論それが理由のすべてでは無いと思いますが・・・)ピリオドファニチュアーと呼ばれる家具が西洋には有ります。究極の美しさと職人芸を見ることのできる家具のことなのですが、そこへたどり着きたいんでしょうね。洋書を見たり美術館へ見に行ったりしています。王様や貴族のために一台作るのにに何年もかかって製作されたような、何百年も時を越えて残るような、それらの家具を、彼は自分でも作ってみたいと思っています。
あくまで、作り手としての感情を強く持っているんですね。

そうは言っても彼は、古い家具の修理なんかも喜んでやっています。
でもいつか、究極の家具を作る機会を彼に与えてあげたいな~というのが、マネージャーの私の夢なんです。かわいい


基調講演レポート第二段” への2件のフィードバック

  1. 古川さんコメント有り難うございます。
    古川さんには、同じオーダーキッチンを作っている者同士で助け合ったり応援しあったりできるということを教えていただき大変感謝しています。私達も古川さんのスタディオン!応援しています。

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