ウオールナットの色

P1040245.JPG今作っているオーダーキッチンの写真をアップします。キッチンの表情は、表に見える面材の色やデザインによって決まると言っても過言ではないと思います。そして、扉材で黒っぽいものは、メラミンという薄い木目調のシートのような人工の表面材を使った製品が多く出回っています。ウエンゲという木も人気が有りますが、良く見ると本物の木を使っていないことがあります。そして、本物の木だとしても突き板といって、丸太を突いて表面をかつら剥きのように薄くスライスしたものを、合板などに貼り付けたものを使うことがほとんどだと思います。突き板は、無垢の材に比べてそったり割れたりしませんし、希少な木の木目を楽しむには大変良い方法です。

でも、無垢の木にふれる機会が最近あまりにも少ないので、家の中のどこかに、やはり一つか二つ、無垢の家具や、木を使ったオブジェがあれば良いと思います。
で、今回のウオールナットのキッチンですが、浅い引き出しの面材には無垢をそのまま使いました。そして、大きな引き出しの場合は、そりや割れが生じにくいように、無垢の木をかまちに組み、中には突き板をはめています。
それから、木の色についてなんですが、最近、展示会に来てくださった若いお客様から、面白いお話をお聞きしました。
濃い色の家具などはすべて、茶色の塗装などをしてあると思っていたそうです。
確かにほとんどの家具は、かばなどの白い木肌の木に着色して濃い色に仕上げています。でも、ウオールナットは初めから濃い目のこげ茶の色をしています。塗装の色でも、ウオールナット色という名前があるように、大半の家具はこの木をまねて着色しています。
「このウオールナットは着色する必要はなくて、木を保護するために透明の塗装をするんですよ。」と説明したところ、木というものに、こげ茶などの色があるのを初めて知ったということで感動しておられました。木は中は皆、白っぽいと思っていたそうです。
木には紫のパープルハートや、黒檀など真っ黒な色の物等、たくさん種類があります。キッチンにも、ここぞというところには本物の木を使うことも良いと思います。水に強い塗装をすることは、肝心だと思いますが。
シンク下の引き出しは給排水の配管を逃げてできるだけ収納ができるように作ります。
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